UNDER THE ROSE 冬の物語(船戸明里)読了 [全一巻コミックス・感想]
アンダーザローズ冬の物語 (幻冬舎コミックス漫画文庫 ふ 1-1)
- 作者: 船戸 明里
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2008/06/24
- メディア: 文庫
19世紀の英国はお好きですか?
貴族とかメイドという単語にときめきますか?
どろどろした人間関係に胸が躍りますか?
そんなひとに強くおすすめする作品です。
これは名作です。
反抗期真っ最中の少年ライナスは母を亡くし弟とともにロウランド家へ。
母の死に不審を抱いた少年はその原因を知るべく行動を起こすが……。
人間関係の泥沼っぷりが尋常じゃないね。
その昏さが魅力のひとつなのだけども。
お気に入りは眼鏡で黒髪センター分けの次男(わかりやすすぎる
あの屈折がひどそうなところが非常によろしいね。
問答無用で大嫌いなのは長男。
昏い道をずっと進んできたからこそ、最終話の美しさは格別。
ライナスとロレンスのふたりが窓の外を見るシーンから最後のモノローグまでの流れは胸がつまって言葉にならない。
このいかんともしがたい結末は、だからこそ名作と言わしめるだけのものをもっている。
*
これを「全一巻コミックス」と分類するのは迷ったのだけども、作者のブログを拝見すると「春の賛歌」の文庫化の予定はないとのことなので……。
いずれ出てくれるとは思うけども何年先だろう。
そしたら続きを読みたかったらA5版を買うしかないのか。
コメント 0