ロードムービー(辻村深月)読了 [感想・小説]
辻村深月の「名刺代わり」であるところのデビュー作、「冷たい校舎の時は止まる」から生まれた短編集。
この文句がすでにややネタバレ気味ですが、まあそういうことです。
しかし冷たい校舎を知らなくても楽しめると思います。
特に表題作「ロードムービー」は単品として高いクオリティのものでした。
他の2作は知っているとより楽しめるタイプのお話。
ロードムービーは一番よかった。
ぐっときた。
小学生ふたりで家出というシチュエーションはもうそれだけでこみ上げるものが。
ワタルがとてもよいこでした。
そして雪の降る道。
君らは本当にお兄ちゃんに手間かけさすなあ……。
そしてお兄ちゃんは面倒見がいいなあ。
*
これは初版分だけかもしれませんが、中に辻村深月の全作品紹介と、著者の一言を添えた折り込み広告のようなものが入っていました。
丁寧な作りで、何より著者の言葉が添えられているのが嬉しい。
さて、このまま辻村深月はハードカバーへ、一般文芸へと移行するのでしょうか?
たぶんそうなんだろうなあ。
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