草祭(恒川光太郎)読了 [感想・小説]
恒川光太郎の新作にして現時点での最高傑作。
これは「土地」の物語だ。
どこにでもあるような、懐かしいような、どこかの町、「美奥」。
そこに「在る」不可思議な何か。
幻想小説なのだけども、軽やかさもあって恒川作品の中ではもっともひとに勧めやすい。たぶん。
「屋根猩々」「天化の宿」が好きでした。
どちらも十代の女の子が主人公のためか、なんとなく明るい雰囲気。
この2作をサンドしている2作と、真ん中に挟まってるのはいかにも恒川的な空気が漂っていて、これはこれで好き。
「くさゆめがたり」は「夕闇地蔵」と通じるものを感じました。
表紙のオレンジ色の空にとても惹き付けられる。
装丁の美しさもまた格別の、大変よい作品でした。
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