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MW号の悲劇(電撃コラボレーション)読了 [感想・小説]


MW号の悲劇 (電撃文庫―電撃コラボレーション (1651))

MW号の悲劇 (電撃文庫―電撃コラボレーション (1651))

  • 作者: 電撃文庫記念企画
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/09/10
  • メディア: 文庫



複数の作家による短編連作のコラボレーション小説。

午後9時、非常ベルが豪華客船MW号内に鳴り響く。
このシチュエーションからお題を盛り込んだ短編を11名の作家で描く連作。

それぞれの作家さんの持ち味が出た短編でひとつの事象を様々な角度から描いているわけですが、この手の試みの中ではダントツ面白かったと思います。
それぞれちょっとずつ作用しつつも、基本的には独立した物語。
時雨沢の後味の悪さといったら……さすがだなあ。
そして成田良悟のまとめあげの手腕といったらこれもさすがとしか。
成田の書き下ろしは実質谷川フォローって感じがしたのだけど、あれを無理矢理同一線上にもってくるのがほんとすごいよ。
そしておかゆまさきに続けるわけです。

単品でみたとき面白かったのは有沢ますみ。
でもこれはあとの「蟻塚と~」も含めてってところがあるかな。
小保田さん、いいなあ。
藤原祐は本当にうっかりカッコイイ……! とか思っちゃってオチで妹ちゃんにとても共感しました。
谷川流は太田黒にやられました。
だからこういうキャラ出すなよもうなんていうか、そのギミックだけで好きになっちゃえるぐらい深い病もちなんだよ私が(……
成田良悟は何をおいては荒神とフレアだと思います。
成田さんちのこういう男女を見るだけで幸せで身悶える。

マルタ・サギーは探偵ですか?7(野梨原花南)読了 [感想・小説]


マルタ・サギーは探偵ですか?7  マイラブ (富士見ミステリー文庫 54-9)

マルタ・サギーは探偵ですか?7 マイラブ (富士見ミステリー文庫 54-9)

  • 作者: 野梨原 花南
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2008/08/20
  • メディア: 文庫



もうこの表紙がすべてだよね!
表紙でネタバレなんだけどまあいいよね!

マルタ・サギーは探偵ですか?、7巻「マイラブ」にて完結。

感無量。
この一言に尽きる。
4巻の終わりからこのラストにかけての流れは神懸かってた。
マルタは本当に目に見えて成長して、色んなツライものを乗り越えてたどり着いたこのクライマックスが泣きそうになるぐらい嬉しかった。
本当によかったなぁ。
オスタスの面々にもう会えないのは寂しいけれど、この物語に会えてよかった。
胸がいっぱいでそんな感想しか出てこないや。

   *

迷惑なあのひとたちのその後がちょっと気になった。
読んでていやんな気分になれるあのひとたちだったけど、あんなことになったらそれはそれで気になってしまうよ。

波打ち際の蛍(島本理生)読了 [感想・小説]


波打ち際の蛍

波打ち際の蛍

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/31
  • メディア: 単行本


上手く言葉を見つけることができないのだけど、ただもう私はたまらなくこの物語が好きだ。
島本理生の描く、ひとの物語が。

傷ついた主人公に共感し、彼女の恋心に感染する。
ままならないもどかしさや、その反面でまっすぐにひとを大事だと思える麻由の姿は読んでいて息苦しくなる。
それでいて、彼女が成長していくその姿を見て、ほっとする。
ただ漠然と、大丈夫なんだな、と安堵した。
前へ進んでゆけるのだと。
困難を抱えて、それごと恋愛する彼らの前途は決して一筋縄ではいかないとして、それでもきっと、と希望を抱く物語だった。


あと関口はしんだらいいと思います。

別冊図書館戦争Ⅱ(有川浩)読了 [感想・小説]


別冊図書館戦争 2 (2)

別冊図書館戦争 2 (2)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/08
  • メディア: 単行本



はい、図書館戦争のスピンアウト第二段です!
ラブです!
表紙が柴崎なあたりから期待値がガンガン上昇していきます!
もちろん裏表紙は手塚です。

電撃文庫magazineに掲載された緒方副隊長の短編を筆頭に、堂上・小牧の入隊したての頃のお話と、柴崎・手塚の物語の3本立て。
なんと言っても柴崎です。
もうそれにつきるわけです。
いや、投げっぱなしジャーマンな堂上夫妻も非常にニヤニヤものなのですが、柴崎ときたら今回は本当にもう半端ないね。
今回彼女にはとてもキツイ事件が起きてしまったのだけどもその先にあるものときたら本を持ったままローリングしたくなるほどなのです。
ああ柴崎可愛いなあ。

ストーカー事件ってのは何で読んでも大変気持ち悪い。
これも本当に気持ち悪い。
あとがきを読むと「旦那」さんに感謝せずにはいられなくなる。
そのおかげであのラストなのかと思うと、本当に救われる。
あれがなければ後味の悪さがとんでもないもの。
でもってその部分の柴崎の可愛さがもうMAXだね。
手塚兄弟のことにも触れられていてちょっと嬉しかった。

こんだけ柴崎柴崎言ったけれど、それでも今回のMVPは鉄拳制裁シーンの郁に差し上げたい。
あ、うん、手塚も頑張ったけど、ね(笑
あと小牧の氷の一言に(笑


ところで帯を外すと表紙にとてもいやーんなものが出現するこの仕様は……。


別冊図書館戦争 1 (1)

別冊図書館戦争 1 (1)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本



晴れた空にくじら 浮船乗りと少女(大西科学)読了 [感想・小説]


晴れた空にくじら 浮船乗りと少女 (GA文庫 お 3-5)

晴れた空にくじら 浮船乗りと少女 (GA文庫 お 3-5)

  • 作者: 大西科学
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2008/07/15
  • メディア: 文庫



この間「とある飛空士の追憶」が面白かったので、飛行機乗り(今回は船ですが)の物語というだけで衝動的に手にとってみました。

空飛ぶ鯨が有史以前より存在する世界。
日露戦争開戦時、民間の浮船業者の青年と、その船を奪取しにきた少女のボーイ・ミーツ・ガール。
世界観の作り込み、浮船のディテールがすごい。
まだ序盤であるだけに今後どうなるかわからないが、とにかく世界観に引き込まれた。

……しかしなあ、難点がひとつ。
主人公がなんというか、もやっとするんだよなあ。
あまり好感がもてないというか。
特に時々「うまいこと」言うところが。
まあ、言った直後にヒロインから鉄拳制裁(わりと字のまま)を加えられるので、すっとするといえばするんだけども(笑

ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ(虚淵玄)読了 [感想・小説]


ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ (ガガガ文庫 う 1-1)

ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ (ガガガ文庫 う 1-1)

  • 作者: 虚淵 玄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/07/19
  • メディア: 文庫



最高の作品と最高の書き手の、最高のコラボレーションなれば、その結果が最高であることは当然の帰結なのです!

面白かった!
もうなんだろうね、間違いなくブラック・ラグーンなんだけど、間違いなく虚淵ワールドで、それが融合して両方のファンであるところの私はアドレナリンが出まくりです。
もういっそのことFate/Zeroみたいな長丁場で書いてほしかったかも。
いや、このコンパクトで濃厚なのがらしい、って言えばまたらしいんだけども。

でもって何がまたご機嫌にさせるかっていうと、張の旦那がすげーかっこいいのよ。
元々好きだったのが男前度3割り増しで陥落するなっつーのが無理なのですよ。
さすがいい男を書かせたら業界で右に出るものがいない虚淵の旦那です。
オリジナルキャラもいい味出してるし、それでいてロアナプラにハマってる妙。
女子ならシェンホワがいい感じでした。
次があったら是非ヨランダとエダも。
あ、ラグーン商会のひとたちはもう何も言うことがないぐらいラグーン商会のひとたちでした。

あとイラストとのコラボレーションが嬉しい限り。
ここを絵で見せるわけか!
確かにそれが一番なわけなのだけど!
そしてその直後にはサービスショットが。
レヴィ、かっこよすぎる。

RDGレッドデータガール はじめてのお使い(荻原規子)読了 [感想・小説]


RDG レッドデータガール  はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)

RDG レッドデータガール はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)

  • 作者: 荻原 規子
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/04
  • メディア: 単行本



角川の新レーベル「銀のさじ」創刊ラインナップのひとつにして、荻原規子さんの久しぶりの新作!
……新シリーズだそうで、次はいつ出るのだろう、と読む前からその心配ばかりしてしまいましたよ。

舞台は現代、熊野あたり。
神社の娘、泉水子は引っ込み思案で、荻原作品では珍しいタイプだなー、と思っていた頃が私にもありました。
うん、最終的にはやっぱり荻原キャラの女の子ですね。
安心しました(ぇ

「普通」でいたいのに周囲によって強制的に変化の中へとたたき込まれる泉水子が辛くてならなかったのですが、ゆえにクライマックスは爽快でした。
しかしまだ序章、といったところで全体像が把握できない。
スケールは大きくなりそう。
この次の巻は舞台も変わるんだろうか。
とにかく次の巻を楽しみにしてます!

<本の姫>は謳う3巻(多崎礼)読了 [感想・小説]


〈本の姫〉は謳う 3 (3) (C・NovelsFantasia た 3-4)

〈本の姫〉は謳う 3 (3) (C・NovelsFantasia た 3-4)

  • 作者: 多崎 礼
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/06
  • メディア: 新書



<本の姫>とともに世界各地に散らばる<文字>(スペル)を回収して回るアンガスの物語も佳境。
ゆかいな仲間たちも増え、回収率はアップ、しかし不穏な空気は増してゆく。

壮大な世界観に定評のある作者さんの本領発揮とも言えるこのシリーズも残すところわずか1冊。
完結したらゆっくりレビューしたい。
どうかアンガスとセラが幸せになれますよーに。

首領に捧げる子守歌(野梨原花南)読了 [感想・小説]


首領に捧げる子守歌 (コバルト文庫 の 3-38)

首領に捧げる子守歌 (コバルト文庫 の 3-38)

  • 作者: 野梨原 花南
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/06/03
  • メディア: 文庫



表紙に美少女が!

……と息巻いてページをめくったら実はあのひとだったというオチ。
でも可愛いは正義だと思います……。

前回の終わりがあれだったのでまだ前の世界にいるかと思ったら、新しい世界に渡ったようです。
しかし女の子になっても中身そのまんまなのでとても男前なあのひと。
ダイヤちゃんと張り合ってるのも楽しかったけど、やっぱこのひと年食ってるんだよなあ。
女性に対する一貫したポリシーみたいなもんがかっこいいなあ。
女の子なのになあ(笑

ラストにあっと驚くひとが。
今後どう転ぶのかなー。

化物語 上下(西尾維新)読了 [感想・小説]


化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/11/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/12/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



西尾維新が100%趣味で書いたという小説。

会話がすごい可愛い&面白い。
もともと西尾維新の作品は言い回しが面白いけども、そのどれよりも会話センスが飛び抜けている気がする。
キャラクター個々の台詞が非常に完成度が高いんだよなあ。
この掛け合いが非常によろしい。

キャラおよびエピソードで一番のお気に入りはひたぎさん。
そのツンデレっぷりたるやお見事。
「つばさキャット」の彼女に陥落しないわけにはいかない。
あとやっぱ会話が楽しいのは八九寺。
主人公にして一番会話が楽しいのは八九寺と言わしめているしね。

アニメ化が決定しているとか。
どこまでテンポよく会話させられるかがきっと成功の鍵じゃなかろうか。
掛け合いは大事にしていただきとうございます。
続編というか前日譚の「傷物語」も引き続き読みたい所存。
パンドラsideB収録の「真庭語」は「刀語」のシリーズなのですね。
そこは注意。



傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/05/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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